リーダーシップ、マネジメント

競争力を向上させるいい組織を作る5つの仕組み

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競争力、組織

組織は、個人の頑張りだけで生産性を向上させるには限度があります。企業が大きくなるにしたがい、あるいは、担当する職場の範囲が大きくなるにしたがい、個人の属人的なリーダーシップや頑張りを補う、組織の仕組みというものが重要になってきます。
具体的には、組織図であったり、人事システム(採用、配置、育成、評価・報酬、勤怠など)、そして組織文化といったものが、互いに連携しながら組織の拡大再生産や自律的発展を促すものになっていなければいけません。組織の制度維持が自己目的化してもいけませんから、その時々の経営環境を反映した戦略や目指すべきビジョンと合致している必要性もあります。

●組織は戦略に従う

 一般には、より広義に人事システムや組織文化なども含めて組織は戦略遂行に適したものではなくてはならないと解されています。
 組織と戦略が整合している必要があることは言うまでもありません。
 しかし、組織には慣性が働きますから、戦略が変わったからといって、そう簡単に変わるものではありません。それをいかに素早く、かつ混乱少なく移行するかが、経営者に課された課題でもあります。

●30年成長する企業はメカニズムがある

 これはビル・ゲイツ氏の言葉です。端的に説明すると以下のようになります。
 「ベンチャー企業が成長するのは当たり前のことだ。極論すれば、すぐれた仕組みがなくても、リーダーの属人的な頑張りでなんとかなる。しかし、30年、さらにはより長期にわたって成長を続ける企業には、それを支える、すぐれた仕組みやメカニズムが存在する」
 このメカニズムは、組織構造であったり、人事システム、組織文化などです。また、それらのベースとなる経営理念もここに含まれます。さらにいえば、管理会計の仕組みや、パートナーを引きつける戦略上の特性などもここに含まれます。

●問題は、誰をバスに乗せるかだ

ジム・コリンズは、採用を「バスに乗せる」と表現し、それこそが組織の命運を決めると主張しました。
「誰をバスに乗せるか」ということが特に影響を与えるのは組織文化です。組織文化は人々の行動を大きく規定する上に、顧客への提供価値にも間接的に影響を与える非常に重要な要素です。
スキルを見ないわけではありませんが、多少不足の箇所があっても、伸びしろがあると見込まれるならば採用するという方が、長い目で見た時の投資効果が高いということもあります。
一方で、あまり現在の価値観や組織文化に合う人間ばかりを採用すると、組織としての多様性が失われ、環境変化に対応できない可能性が高まる危険性があります。
 これを避けるてっとり早い方法は、「変化はあたりまえ」「多様性を認める」ということを組織文化に埋め込んでしまうことです。
 変化させずに残すものと、変化させるものを適切に切り分けることは非常に大切です。

●器が人を作る

 組織としての最も大事な責任の一つは人材の育成です。人材の育成は、基本的には仕事を任せる中で、OJTで行うのが基本です。リーダーからの適切なフィードバックやコミュニケーションがあることも非常に大切です。
 よくある失敗は、会社としてなすべき業務にこだわりすぎ、確実にできる人材を配置してしまうことです。
 これは、人材の育成という観点から考えると必ずしも有効ではありません。若手に仕事を任せ、チャレンジさせる方が、結果として組織の能力そのものが上がるというのが「器が人を作る」という言葉の主眼の一つです。
 難しい仕事を任せることのメリットには以下があります。
・創意工夫をしようとする。その結果、会社も予想しなかったような斬新な方法論が生まれることもある。
・責任感が醸成される。また責任が重いため、ストレスに対する耐性が増す。
・多数の人間を監督したり巻き込まなくてはならないことが増えるため、マネジメント力が鍛えられる。
 一方で、リスクを回避するのがまさに上長の役割となります。つねに当人の状況を把握し、困ったところで助け船を出すことが要求されます。

●人間はインセンティブの奴隷

 トップが崇高なビジョンを掲げ、「一緒に頑張ろう」といえば人々はモチベーション高く頑張るでしょうか。
 実際にはそんなに単純ではありません。人々を動かす別の大きな要素であるインセンティブの影響や威力を正しく理解する必要があります。
 組織の中には「一見合理的だけど、必ずしもトータルとしていい結果をもたらさないインセンティブ」が溢れています。
 卑近な例は残業代です。残業代は、本来、仕事量が多く、労働時間が長くなりがちな人々に報いる制度だったといえます。しかし、多くの企業で残業代という制度は、人々が効率よく定時までに仕事を仕上げる動機を奪ってしまっており、日本企業の生産性の低さの原因ともなっています。
 「行為の意図せざる結果」には細心の注意が必要です。

(出典:MBA100の基本)

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