リーダーシップ、マネジメント

人が動かすためのリーダーシップ(前編)

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リーダーシップ

経営戦略やマーケティングがしっかりしていれば組織が繁栄するでしょうか。答えは“否”です。どれだけいい戦略やマーケティングプランがあったところで、働く人々が、モチベーション高く、同じベクトルで力を投入しない限り、昨今のビジネス環境の中では勝ち上がれません。
では、人々に動いてもらうためには何が必要なのでしょうか。組織の仕組み、評価・報奨の仕組みなども重要ですが、人々をダイレクトに鼓舞するのは、身近にいる上司の行動や発言であったり、また、人間の心の機微を踏まえたコミュニケーションのあり方などです。
 人に動いてもらえる能力は、天性の資質による部分もありますが、後天的に学べることが示されています。

●100をいって1が伝わる

 「この前メールしたのに、読まなかった君が悪い」、「この前言ったはずなんだけど」と言っていませんか?
 このような発言をする人間はビジネスリーダー失格です。人間は一度言われたりメールで書かれたりしただけでは、すぐに忘れるからです。
 重要なことであれば「10を言って1が伝わる」くらいのイメージでコミュニケーションをしておく方が無難です。特に、相手が若くて未熟であったり、逆に忙しすぎる管理職に対してはこれが当てはまります。
 また伝えるだけではなく、理解してもらうことが最も大事です。人間は納得しない仕事は手を抜く動物だからです。
 重要な仕事になればなるほど、相手の視点に立ち、その理解度やモチベーションを理解した上で、意義や目的、手法などについてしっかり説明し、同意を促す必要があります。

●人間は感情の動物

 人間は、合理的に筋道が通っているからといって、その通りに動くわけではありません。それを妨げる大きな要素が感情です。
 感情にも様々なものがありますが、人に動いてもらう上で、特に意識したのは、相手のメンツをつぶさない、相手の自尊心に配慮するといったことです。
 「メンツがつぶされたので、あいつには協力したくない」といった、傍目には子供じみた理由で物事が進まないことは多いのです。
 人間はプライドの動物です。気持ちよく動いてもらう上で、合理性一辺倒で説得しようとすることは必ずしも効果的ではありません。
 自分自身が公平、正直接することも意識した上で、先ずは相手の感情面に最大限配慮し、その上で、合理的に説明するという順序が大事なのです。

●リーダーに生まれるのではない、リーダーに育つのだ

 リーダーシップの研究が進むにしたがって、家計や親の職業などは、それほど個人のリーダーシップに影響しないことがわかってきました(ゼロという意味ではないですが、比重はそれほど高くはなかったということです)。
 こうした結果を受けて、リーダーシップ―ビジョンを示したり、部下を鼓舞したり、適切なフィードバックを与えるなど―は天性のものではなく、後天的に学びうるスキル、行動様式であるという考え方が定着したのです。
 また、上司の立場に立てば、部下がリーダーシップを発揮できるよう能力開発することが重要となります。企業にとっての希少資源は、モノやカネ以上にヒト、特にリーダーシップを発揮できる人材だからです。
 次世代のリーダーを育てることも、リーダーの重要な役割であり、それは当然学びうるスキルなのです。

●よきリーダーとなるためには、よきフォロワーとなれ

 近年、フォロワーシップという言葉が浸透してきました。これはリーダーの反対のフォロワーの立場にも好ましい行動様式があるという考え方です。
 ポイントは、フォロワーシップとリーダーシップには高い相関があるということです。特に若い頃に好ましいフォロワーシップを発揮する人材は、長じてリーダーの立場になった時にも、好ましいリーダーシップを発揮する可能性が高いのです。
 模範的フォロワーは、以下のような特性を持つとされます。
・仕事において付加価値を生み出すことに熱心で、それを実現する。
・人間関係を育むことが得意で、チーム内、チーム外、そしてリーダーともいい関係を構築できる。
・「勇気ある良心」を持っており、時にはリーダーに進言を行うなど、高い視座から物事を考えることができる。

●人を動かすには模範を示すことが大切だ。それしかない。

 範を示すことの重要性を説いた人物は数え切れません。模範を示すことのメリットとしては以下があります。

1.具体的にイメージしやすい
 特に、初めてやる事柄については、人間はやり方のイメージも湧きませんし、どのあたりに難しさがあるのかもわかりません。それをやることでどのようなリターンが得られるのかも自信を持てないでしょう。
 先ずはやってみせるというのは、具体的なイメージを喚起する上で、やはり効果的です。
2.説得力が増す
 最も範を示すべきは、姿勢や態度、日常の行動でしょう。人の姿勢や態度などを指導するのであれば、やはり自分自身が範を示し、その効果をしっかり見せないといけないのです。

前述の2に関して時々人がやってしまいがちで、信頼を失うのが、都合のいいポジショントークです。大人である社会人が安易なポジショントークをしてしまうと、ご都合主義にしか見えません。メタな視点を持ち、範を示していない自分がどのように他人に見えるかを客観的に眺め、改める姿勢が望まれます。

(出典:MBA100の基本)

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