プレゼン

価値を高めるコミュニケーションのヒント(後編)

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コミュニケーション

 交渉の場に臨んだり、誰かを説得したり、会議に出席したりということは日常ありふれた行為です。そのような場で適切な行動がとれなかったらどういった不都合が起こるでしょうか。
 交渉であれば、不利な条件を受け入れてしまうと、利益が下がってしまいます。あなたの評価を下げてしまうことにもなるでしょう。
 本来説得できる相手を説得できなければ、生産性を下げてしまいます。これもあなたの評価を下げてしまうかもしれません。逆に安易に説得されてしまうようだと、信頼を失いかねません。
 会議を適切に運営できないデメリットも大きなものがあります。会議は多くの人間の時間を拘束してしまう性質があるからです。その機会費用は、足し合わせると大きくなります。会議はコミュニケーション力を磨く場でもあるので、運営がプアだと、結局は対外的な交渉や説得の場にも悪影響が出ます。
 今回は、こうした身近な活動の生産性を上げるヒントとなる基本(後編)を紹介いたします。

●返報性と一貫性に注意せよ

 返報性とは、人に何か施しを受けたら、お返しをしなくてはいけないと考える人間の性向を指します。返報性の怖いところは、「借り」が実在しない架空のケースでもそれを感じてしまうことです。
 一貫性とは、一貫した立場をとる人間と周りから見られたいという人間の性向です。コロコロいうことを変える人間は、周りから信頼されないということに起因します。
 返報性と一貫性を利用した有名な交渉術や説得のテクニックに「ドア・イン・ザ・フェイス」、「フット・イン・ザ・ドア」、「ローボール」等が挙げられます。

●議論の目的は勝利ではなく改革である

 会議は本来「価値を向上させる」という同じ目的を持つ仲間同士のはずです。議論はやはりよりよい方向性を打ち出すべきものでしょう。
 なぜ、人間は議論での勝利を目指してしまうのか。いくつかの理由が考えられますが、代表なものは以下のようなものがあります。
1.所属組織の利益代表になっている
2.自分の不利になることは一切許容できない
3.議論に負けると人格を否定された気になる。負けず嫌い
 こうしたことが頻発する組織は、組織としての創造力もなく、決して競争力の高い組織とはいえないでしょう。特に高い立場の人間ほど、会議で対立が起きそうになったらそれを収め、全体最適になるような方向に議論を誘導することを心がけたいものです。
そうした姿勢が若手にも伝わり、組織の考え方を柔軟にすると同時に、仲間意識を醸成するからです。

●「みんなの意見」は案外正しい

 あるテーマに関して、ある程度の意見を持った多用な人間が集まると、そこで生まれてくる平均的な見解は、1人のエキスパートの意見よりも的を射ていることが多いというものです。これはまさに集合知の力であり、会議を行うことのメリットそのものです。
 みんなの意見がそれなりに正しくなるためには、いくつかの条件が揃う必要があります。
・多様性:さまざまなバックグラウンドからの意見が飛び交う
・独立性:他者からの影響を受けない
・分散性:各人がそれぞれの知識をベースに検討を行う
・多様な意見を集約する仕組み
 ただ、現実を考えると、むしろこの4つが担保されている議論の場はまれでしょう。集合知のパワーは非常に大きいですが、それをどのように引き出すか、思考錯誤が求められる場面といえるでしょう。

●会議の目的とその貢献を明示せよ

 会議の目的を明らかにすることは基本的なことですが、多くの企業では実行されていないことでもあります。また、参加者の貢献も通常は明らかにされていません。
 会議の目的についてはいうまでもないでしょう。これをしないと、会議の時間配分などのバランスが悪くなり、本来決めないといけないことが決まらないなどの不具合が起きます。
 貢献についてはアジェンダでも明確にされていないことが多いのではないでしょうか。ここで言う貢献には、事前準備と会議における貢献の両方が含まれます。
 重要な会議になれば、誰が何をいったかということも大事になる場面があります。どこまで外部に発言者をディスクローズするかの判断は微妙ですが、必要に応じて明示することも検討していいでしょう。

(出典:MBA100の基本)

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